籠を逃れて地獄にくだる 後編
積もったばかりの粉雪を踏みしめる度に、独特の音と感触が足に伝わった。
雪の中をただただ北へと向かう。緋村剣心が南東北で姿を消してから、既に一ヶ月が経っていた。
東日本を蛇のように、迷うように蛇行しながら北上を続け、とうとう目の前には本州最北端の海峡がある。
空気は突き刺すように冷たいという範囲を超えて既に痛みを感じる域だった。
震えを抑えるために常に力んでいるせいか、肩がとても苦しい。
海を越えれば北海道だ。開拓著しい無限の大地。かつて一度、自分もその地を踏んだことがあった。
戊辰戦争はその終わりを函館で迎えた。
既に維新志士としての役割を放棄して新政府軍の元から姿を消していた剣心が、わざわざその地へ足を運んだのは、
ひとえに「見届けねばならない」という意味の無い責任感を持っていたからだ。
自分が選んだ道の行く先、辿り着く結末を、この目で見ない訳にはいかなかった。
新撰組の副長であった土方の最期を、遠目で見たのを覚えている。
天晴れな死に方であった。これ以上なく、天晴れであった。
同じように時代を想い人を斬っていながら、自分と彼らには大きな違いがあった、と、剣心は思う。
「正しい」という確信を持っていたかどうかだ。彼らが迷うところを見たことがない。
彼らにとっての正義はいつも揺るがず、常に走る先には明確な最後が見えていたに違いない。
だから迷わずに死ねたのだ。
迷わず戦い、迷わず死んだ。
切り立った崖の上に立ってみると、岩に打ち付ける波の飛沫が霧吹きのように風で舞い上がった。
海の向こうは霧がかかっていて、その先の大地は僅かも見えない。
日に日に深まっていく冬はそろそろ一番寒い時期に差し掛かろうとしている。
海を渡ろうかどうしようか。それがここ数日、剣心が決めあぐねていることだった。
海を渡ってしまえば、最北の地だ。
本州と地続きでないということが、何か決定的な距離を彼女との間に置いてしまうことのように思えた。
ここで踏み止まらなければ、自分にも彼女にも、とどめを刺すことになるだろう。
何も言わず、手紙さえ送らずに出奔紛いのことをしている自分に、既に彼女は愛想を尽かしているかもしれないが。
どれだけの時間をただ立ち尽くしていたのか。ふいに背後に現れた気配に気がつくのが、少し遅れた。
「あれぇ、緋村さんじゃないですかぁ」
確かに覚えのある気配だった。
寒風吹きすさぶ北の地には全くもって似合わない間延びした声だ。
振り返って確認すると、思いがけない人物が立っていた。
「………」
「あ、何ですかその不審な顔。まさか僕のこと覚えてないなんて言いませんよね。剣を交えた仲じゃないですかぁ」
━━瀬田宗次郎━━確かに忘れる訳はない。その姿は相変わらず掴み所もなく、寒さなど感じていないかのように表情は柔和だ。
「こんな所で何してるんですかぁ?」
「……お主こそ」
かつて京都にて繰り広げられた志々雄との戦いの後、
この少年━━と言って良いのかはわからないが━━は忽然と姿を消し、
以来警察の捜査の網をするするとかい潜り続けているという。
歳月が経ち、その顔はいくらか大人びていた。身長も記憶にあるよりほんの少しだけ高い気がする。
「僕ですか? 僕は北海道から南下してきたところですよ。もう寒くって。食べ物は美味しいんですけどねぇ」
海の向こうを見ながら、宗次郎は依然と変わらない招き猫のような表情を崩さない。
殺気は微塵も感じられなかった。
「緋村さんこそ、ここで何してるんですか」
ただし警戒はしているのだろう。かつて彼と対峙した時の剣心は確かに警察側の人間であったし、間違いなく敵であった。
宗次郎の細められた目が微かに開くのを見て、剣心は困ったように笑った。
「仕事の帰りで御座るよ。警察から受けた依頼の」
「……ふぅん、なんだ。てっきり僕を捕まえにきたのかと思いましたよ。
でもそうじゃなくても、僕を見つけたからには黙って逃がすつもりはないんでしょうね? きっと」
宗次郎からほのかに滲み始めた殺気が、ぴりぴりと剣心の肌に届いた。
何かあればすぐにでも臨戦態勢に入るという、警告のつもりなのだろうか。
その割には宗次郎は、どこかわくわくした期待を込めるような目をしている。それを見て剣心は更に苦笑した。
「いや、お主をどうこうするつもりは御座らん。例えここで捕まえて警察に引き渡したところで、
どうせまたすぐに逃げられることになるのだから。ここで出くわした事とて、誰に知られるわけでもないさ」
依頼を受けているわけでもなければ、どこかに義理があるわけでもなかった。
「それに、『罪を償え』などと、口が裂けても拙者には言えぬ」
その言葉を聞くと、宗次郎はぱちりと目を開いて何度か瞬きをした。
滲みだしていた殺気は一瞬で元のふわふわとした気に戻り、顔は何となくつまらなそうな表情になる。
「へぇ、なんだ、緋村さんて案外適当なんですね。てっきりもっと正義漢かと思ってました」
「………」
海からの冷たい風が身体を縮みあがらせるようだ。切り立った崖の上は空気を遮るものもない。
襟巻きを引き上げて顔の下半分を覆うと、いくらかは暖かかった。
「なんだか、ちょっとがっかりですね」
視線を外してまた海の向こうを眺めていた剣心の背に、ため息混じりの宗次朗の声が届く。
「僕、緋村さんを見習って10年は流れてみようと思ってるんですよ。
だって貴方が答えを見つけるのにそれだけ時間がかかったなら、僕にもそれくらいは必要なはずだから。
まぁこんな言い方したら変ですけど、貴方は僕の人生の目標のようなものなわけです。
志々雄さん亡き後のね」
薫は東京で、今頃怒り狂っているだろうか。それとも嘆き悲しんでいるだろうか。
それとも自分のことなどもうどうでも良いと見切りをつけただろうか。
「それなのにがっかりですよ。緋村さんがまだ、こんなところをフラフラと彷徨ってるなんて」
「………」
「緋村さんご結婚されたんですよね? 風の噂で聞きましたよ。確か、鎌足さんの膝を粉々にした方でしたっけ?
あーあ、奥さん可哀想。こんな旦那さんじゃあさぞ気苦労が絶えないでしょうね。
僕は見たことないですからどんな人かは知らないけど、大層な美人さんだそうじゃないですか。
僕、会いにいっちゃおうかなぁ。緋村さんより早く東京に着けるだろうし」
━━足は僕の方が速いですもんね━━という言葉が言い終わるのと同時に、宗次郎は顔のすぐ横に迫った刀をひらりと交わした。
空を切った刀がびゅんと音を鳴らして弧を描く。鋭い風圧が遅れて肌に届いた。
「━━っと。いきなり酷いですね」
実際のところ、当たるなどとは思っていなかったのだろう。標的を外した逆刃刀を手に持ったまま、剣心は無表情で立っていた。
「薫殿に近づいたら、今の剣線の速さが倍になると思え」
「倍?なんだ、そんなもんなんですか?それなら全然怖くないや。
僕だってあれからただぼーっと流れていたわけじゃないんですよ。
以前貴方と戦った時より足も速くなってるし、剣の腕も上がってます。負ける気はしませんね」
「では今ここで一戦交えるか」
「ふふ、いいですよ━━と、言いたいところですが、残念、邪魔が入ったようです」
背後からはガヤガヤと数人が会話する声と、ザクザクと雪を踏みしめる音が聞こえる。
見れば地元の人間らしき者たちが二・三人ほど、自分たちの居る場所へ近づいていた。
「じゃ、僕はこれで。緋村さんも、早く帰ったらどうですか。
こんな所でうだうだ海を眺めてたって、貴方が無くしたものを取り戻すことなんか出来やしませんよ」
「……拙者は何も、無くしてなどおらぬ」
「またまた。ご自分でわかってるくせに。だからこんな所で海を眺めて感傷に浸ったりしてるんでしょ。
僕から見れば、貴方は手に入れたものと同じぐらい色々と失っているように見えますけどね。
本当は僕と戦いたかったんでしょう?顔に出てますよ。
所帯を持って家庭を持って生温い暮らしに浸ることを自分で選んだくせに、戦いの日々にも未練があるなんて図々しいんですよ。
覚悟を決めて平凡な人生に身を投じたらどうですか」
宗次郎の言うことはほとんど正しかった。
彼に出くわした瞬間に戦闘への淡い期待を抱いてしまった自分を、剣心は否定することが出来ない。
戦いたいのだ。そうだ、自分は剣を振るいたい。
時折受ける警察の依頼で対峙する者たちなど、どれも『小者』ばかりだ。何の足しにもならない。
違うのだ。もっと強い者と戦いたい。もっと、命のやり取りに震えが走るような、そんな戦いがしたい。
剣を振るうこと。
それだけが自分の存在意義で、自己を確立するただ一つの方法だった。
そうやって30年を生きてきたのだ。それこそ息をするのと同じように、腰の刀を抜くことが出来る。
もう剣を振るわなくても良いのだと言われてしまったら、いったい自分には何が残るというのだろう。
後数年もすればこの身体は全く使いものにならなくなる。
人斬り抜刀斎だの何だのと恐れられていた所以たる『飛天御剣流』も、そのほとんどを使えなくなるのだ。
そうやってどんどんと彼女の側でただの人間に成り下がっていくことが、どうにも耐えられなかった。
「ここから更に北へ向かったって楽しいことなんかありませんよ。
少なくとも貴方が望むような、心躍るような戦闘の機会なんて手に入らないでしょうね」
霧に隠れて海の向こうは見えない。その先にあるものを冷たく見据えたまま、宗次郎は続けた。
「まぁ屯田兵と一緒に開拓に勤しみたいと言うなら、止めはしませんけど」
かつて見た五稜郭での戦いのような、血で煙る大地はもうどこにもないのだと。
「それじゃ、僕はこれで。お元気で、緋村さん」
そう言ってあっという間に宗次郎は視界から消えた。
風が強く海から巻き上げられた海水が飛沫となって頬を濡らす。寒くて、剣心は襟巻きに顔を埋めた。
「俺は逃げたのか、彼女から」
彼女と共にある人並みの生活という名の幸福から。
行く先にもまた望むものは無いというのに。
いよいよ身を固めるのだという時になって、訳も無く湧いて来た焦燥を口で説明することは難しかった。
一体何と言えば良かったというのだ。『やはり考え直したい』とでも?
不満などない。後悔もない。ただじりじりと自分の足元が崩れて行くような不安を、一体どう伝えれば良かったのか。
でも多分彼女は気が付いていたのだと思う。
この期に及んで怖気づいてしまった自分に、呆れたかもしれない。
それならそれでいい。
本当に駄目な男だ。夫として優れている点はただ家事がこなせるということぐらいで、
それ以外に誇れるものなど何一つ無い。
いっそ彼女の方から匙を投げてくれはしないかと、情けない考えまで持っていたことを、隠す気にもならなかった。
彼女はいついかなる時でも、自分を捨てる権利を持っている。
***
庭に積った一面の雪を見ながら、薫は盛大に溜息をついた。
玄関を開けると外はどこも真っ白で、塀の瓦には今にも滑り落ちそうなほどの雪が乗っている。
今年はいつになく寒い。こうして門までの小道を箒で掃いて回るのも、何度目かわからない。
道着の上にどてらを着て、首にはぐるぐると襟巻を巻いた。
手には自分で繕った手袋を嵌めて、足には分厚いブーツを履いている。
ダルマのように着膨れた格好で一心不乱に雪を掃く姿は傍から見ればどんなにか珍妙に見えるだろうが、
そんなことを気にする気にはならなかった。
ここ一ヶ月の間、弥彦は道場に顔を見せていない。
当然と言えば当然だろう。それだけ酷いことを言った自覚はあった。
”━━家族でもない他人が━━”
もはや自分は弥彦にとって、師ですらなくなったのかもしれない。
多分赤べこに行けば会えるだろう。稽古を休んでいることを咎めれば、恐らく弥彦はまたここに通い出すだろう。
可愛い弟子を迎えに行って、失言だったと謝罪して、和解する。
そうすることが一番なのは薫も嫌という程わかっていた。
自分が意地になっていることもわかっている。
そんなことはわかっている。
それでもどうしても動く気にはならなかった。
「…っああ! もう…!!」
重たい雪は中々思う方向へと掃けてくれない。
苛々が募りに募って。
箒が折れるのではないかというくらい力を入れて、勢いよく白い塊を弾き飛ばした。
薫が箒を振り抜くのと、門の木戸がガラリと開くのが同時だった。
「うっ…!」
「………!!」
弾丸のように飛び散った雪は、そのまま木戸を突きぬけてそこに立っていた者の顔面を直撃する。
「……剣心」
「………ただいま。薫殿」
朝日を反射する雪に塗れて、一ヶ月ぶりに見る夫がそこに立っていた。
***
まな板の上の鴨肉を包丁でぶった切ると、薫は鼻息も荒く土鍋にそれを放りこんだ。
他の野菜やら豆腐やらもどんどん鍋に放りこむ。
台所にある食材は全部ぶち込んでしまうつもりだった。
何が一番薫の怒りを刺激したかと言えば、それは剣心が一月前と比べて明らかに痩せていたことだった。
雪に塗れたまま門の向こう側で立ち尽くす夫が口を開こうとするのを睨みで制し、
そのまま有無を言わさず風呂に蹴り入れた。
着物を剥ぎ取った時に見えたその骨の浮いた身体に、悲鳴が漏れそうになったのは何とか堪えた。
碌に飲み食いもせずにいたに違いない。
目新しい傷が一つも無かっただけましだろう。
「━━━ちっ」
盛大に舌打ちを鳴らす。盛り過ぎた白菜のせいで土鍋の蓋が閉まらないのだ。
帰って来たならばどんな風に酷い言葉で詰ってやろうかと毎日考えていたというのに、
薫が溜めに溜めた罵詈雑言の全ては使う最初の機会を逸してしまった。
無駄な脂肪どころか必要な肉さえも削ぎ落としてしまったような剣心に、
真っ先に抱いた感情が『憐れみ』だったなど、笑い話にも出来ない。
煮えた鍋を持って居間に行くと、剣心は既に風呂から上がっていた。
濡れた髪をおざなりに拭いたままにして、毛先からはぽたぽたと滴が垂れている。
無言のまま卓袱台に鍋を置くと、入り口に突っ立ったままの剣心が自分の挙動を目で追っているのがわかった。
「何してるの。早く座って」
「………」
もくもくと立ち上がる湯気を避けながら鍋の具を小鉢に取り分ける。
しずしずと席に着いた剣心が何かを言おうとするのを遮るように、
乱暴に小鉢を目の前に突き出した。
「これ、全部食べきるまで喋るのは許さない」
「………」
そこからはひたすら無言の作業が続いた。
小鉢に取り分けた具を剣心が食べ終わると、すぐに薫が鍋から新たに具を取り分ける。
食べては取り分けて、食べては取り分けて。さながらわんこそば状態だ。
何回目かの小鉢を空にすると、次の分を取り分けようとする薫にとうとう剣心が音を上げた。
「すまない薫殿、もう無理だ」
「まだ喋っていいって言ってない。鍋、残ってるでしょ」
「勘弁してくれ、もう入らない。胃がいっぱいで…」
「つべこべ言わずに食べなさいよ。ただでさえ痩せっぽちのくせにそんなにガリガリになって帰ってきて」
「………すまない」
鍋は残りが三割程度にはなっていた。四人前はあったかというほど山盛りに作ったことと、
普段剣心が食べる量を考えれば十分努力したと言えるだろう。
一ヶ月の間に縮んでしまった胃に詰め込むには無理のある量だったし、ふさわしい料理でもない。
特に味見もせずに味噌やら醤油やらで味付けたから、多分お世辞にも美味しくはなかっただろうとも思う。
それでも薫はもう一度、鍋の具を取り分けて小鉢を夫の前に置いた。
「すまない」
何に対しての謝罪なのか。残さず食べられないことを詫びているのではないのだと、薫にもわかっていた。
「楽しかった?」
ふいに薫が尋ねた。
嫌味のつもりでは全くなかった。本当に聞いてみたかった。
久しぶりに一人でふらりと諸国を放浪することで、目の前の夫が何か素晴らしい楽しみを得られたのだろうかと。
薄々感じてはいた剣心の焦燥が、少しでも和らいだのだろうかと。
「……いや、楽しくはなかった。これっぽっちも」
「どうして?」
「どこへ行っても、薫殿のことが気にかかる」
「でもここから逃げたかったんでしょう?」
「………」
ぬるま湯に浸かるような日々の暮らしに、夫が及び腰になっていることを、薫は知っていた。
憐れな事だ。これまでの人生があまりに熾烈だったせいか、
剣心は自分に与えられる幸福━━ここでの暮らしがきっと彼にとっては幸福に値するという限りなく薫の希望に沿った仮定の上で━━に消極的だ。
おまけにその類まれな戦闘の才能のせいで、中毒患者のように唐突に戦いへの欲求が湧いてしまうのだろう。
しかし彼を満足させる戦闘の機会などそうそうあるはずがない。
彼はどんどんとただの『人間』になっていくのだ。
そのくせ一度は手に入ってしまった生温く心地良い暮らしを、捨て去ることも出来ずにいる。
薫と出会って夫婦になったことで、緋村剣心はどう足掻いても完全には満たされることはなくなった。
本当に、憐れな事だ。
「私が追いかけて行くと、思った?」
「来ないと思った。でももしかしたら、とも思った」
雪の中を北上しながら、毎日東京の方角を確かめた。
わざと人目につく街道をゆっくり歩いた。
来るかもしれない。いや来るはずがない。きっと来る。いや来ない。
女々しい花占いのようなことを一人考えては、来た道から彼女の姿が現れるのではと後ろを振り返った。
「私ね、もう二度と貴方を追いかけては行かないわよ。これからも。だって私が追いかけたら貴方、
これ幸いと更に遠くまで行ってみようとするでしょう。『追いかけて来てくれる』なんて、夢にも思わないで。
私は絶対行かないから。恨み事を言いながら、ひたすらここで待ってやるわ。
欲しいものが二つあって、それが相反するものであるなら、どちらか一つしか手に入らないのよ、剣心。
どっちもは駄目なの。両方なんて、無理なのよ」
これからまた、剣心が発作のようにどこかへ旅に出たとしても、
多分薫は本当に追っては来ないだろう。
一ヶ月だろうと半年だろうと一年だろうと、薫は決して来ないだろう。
そして薫が追わない限り、剣心はここへ帰ってくるより他ないのだ。
鍋はすっかり冷めてしまった。
残った具を保存用の器に移しながら、薫は剣心に向かって笑う。
「これから暫くの間は私よりたくさん食べてね。痩せた分は早く元に戻して。
それから明日、一緒に赤べこへ行ってね。
弥彦に、謝らなきゃいけないから」
了
モドル。